療育センターの検診中に起きた驚き

2016年6月、幼稚園への入園前から予約していた療育センターでの検診日がやってきました。

半年かかりました。

娘がどんな障害を抱えているのか、やっと専門家からの宣告を受けることになります。

療育センターでの検診前夜

パパママは、療育センターでの検診日が近付くと、悪あがきを始めます。

娘に自己紹介を徹底的に教育するのです。

幼稚園の面接では、自己紹介どころか簡単な質問にも回答できず、面接の先生に療育センターで検診を受けることを勧められました。

ありのままを検診してもらった方が良い。

そんなことは分かっているのですが、この時は”必要以上に重い障害が宣告されませんように”と言う気持ちでいっぱいだったのです。

しかし、親の心子知らず。

ママ
お名前を教えてください

娘です!

ママ
歳はいくつですか?

娘です!

ママ
・・・それは名前。4歳ですって言ってね

練習では名前までは言えるようになったのですが、年齢が言えません。

パパもママもあきらめムード。

一度も自己紹介が言えないまま、検診の日程を迎えます。

療育センターでの検診当日

障害を持った子供たちが大勢いる場所というイメージだったので、失礼な話ですが仄暗い施設をイメージしていました。

実際に伺った療育センターは駅に直結している6階建のビル。

施設の中は光が沢山入る健康的な印象を持てるつくりでした。

受付で予約の旨を伝えて、待ち時間もほどほどに担当の先生が待つ一室へ呼ばれます。

担当の先生は女性の方で、補助的な役割と思われる初老の男性と、メモを抱えた女性がいらっしゃいました。

娘は先生の真横に座らせられます。

先生
名前とお歳をおしえてください

娘です。4歳です

先生
はい。ありがとうございます

・・・えっ!?

なんと自己紹介の練習では一度も成功しなかった年齢が言えています。

しかも名前と年齢を一緒に聞かれるパターンなんて練習していないのに!

まさか、まさかこの子!

今まで障害をもっているっぽい行動は、全部悪ふざけでは!?

驚きと喜びがパパママを包み込みます。

しかし、

先生
好きな食べ物をおしえてください

・・・

先生
では、好きな遊びを教えてください

・・・

娘は、体をねじらせて、誰の顔を見るでもなく、にやにやしながらあたりを見回します。

質問の意味がわかっていないことは専門家じゃなくても明白でした。

先生
では、娘ちゃんにテストをしますのでお父さんとお母さんは別室でお待ち下さい

メモを取っている女性に案内され、しばし娘とお別れです。

別れ際の娘の表情に不安そうな雰囲気は感じられません。

両親としばらくお別れなんですよ、娘よ。

先生や補助の男性も、その表情が意味することも分かっている様子でした。

別室にて、パパママの聞き取り

メモの女性に連れられた別室では、パパママの娘に対する印象の聴取が行われました。

パパもママも、自分たちでも意外なほど言葉が溢れ出しました。

  • 食事に興味がないこと。
  • 他人に警戒心を持たないこと。
  • 言葉を覚えないこと。
  • 文字が書けないこと。
  • 落ち着きがなく、階下の住人から壁を叩かれること。
  • 娘は多動症だと思っていること。
  • もしかしたら全部おふざけなのかもしれないこと。
  • 思えば、こんなにたくさんの言葉で具体的に娘の状況を説明したことはありませんでした。

    義父や義母には、自閉症ではなく多動症の可能性がある話だけをしている程度。

    幼稚園のママ友には、打ち明けられません。

    他人の障害児には、適切な態度をとれる自信がありますが、自分の子供の障害を受け入れてくださいとは中々言えませんでした。

    だから、娘の状況をくわしく説明するのが、目の前の担当者の女性が本当に初めて。

    まるで娘を中傷するかのような状況説明に、パパもママも次第に目が潤んできたのを覚えています。

    同時に、どこか胸のつっかえが取れたような気がしました。

    療育センターでの検診を終えて

    30分くらい経過して、娘の検診が終わったようで、先ほどの一室で娘と合流です。

    初老の男性と、知育おもちゃのようなもので遊びながら、検診していた様子でした。

    先生
    では本日の検診はこれで終わりです。検診結果は1ヶ月後です

    あぁ、今日の今日で多動症と宣告されるわけではないのか。

    ほっとしたけれど、ここからまた1ヶ月生殺しかぁとか思っていました。

    帰りの車の中で、パパママは、覚悟が出来たとか、相談できて良かったとか、そんな話をしていたと思います。

    それでも頭の中では、検診当日に突然出来てしまった年齢を答えるという行為に、わずかな希望を感じています。

    この娘は、全部おふざけで出来ない感じをやっているだけで、実は全部理解していることなのでは?と。

    だとしたら逆に頭が良い子だよな?と。

    まぁ、1ヶ月後に全部打ち砕かれた希望なんですけどね。