幼稚園の入園式、そして脱走へ…

2016年4月、やっとたどり着いた幼稚園の入園式です。

娘も初めての制服やベレー帽、黒い革靴にご満悦の様子。女の子はみんなそうでしょうが、うちの娘もおしゃれが大好きなのでぶかぶかの制服は新しいお洋服という認識でいます。

パパママもビデオカメラを抱えて気合を入れていきました。

脱走への助走

この時点で、療育センターに診断しに行くまで3ヶ月くらいあるので、もしかしたら友達がたくさんできて、刺激を受けて急成長するのではないかとの淡い期待を抱いています。

娘の組は約20人くらいで、4人テーブルの一角に名前のついた席が用意されていました。どうやらこの席の4人は、みんな年中さんからの入園組の様子です。

周りを見渡すと、娘と同じくらい園児達がざわついているので、ここでも娘だけが落ち着きが無いわけではないと安堵した記憶がありますね。

そうこうしているうちに先生のご挨拶がはじまり、園児達のざわつきが徐々におさまっていきます。

・・・が。

先生
みなさん、おはようございます!

・・・せんせぇ

先生
今日から年中さんとしての・・・

せんせぇ!

どうした娘よ、先生はみんなにご挨拶中だぞ。

遠巻きにパパママはハラハラしています。やはりうちの娘だけが空気を読めない感じで先生の気を引こうとしている!

すると、すかさず先生が行動にでます。

やはりプロは違う。娘の上手なあしらい方

「・・・」

娘に無言で白いウサギのぬいぐるみを渡して、挨拶を再開しました。

ちなみに娘は先生が近付いてきたタイミングで先生の胸をタッチする暴挙にでましたが、これにも先生は無反応(笑)。

これ、この当時はちょっと冷たい対応だなって思っていたのですが、先生の名誉のために後に療育センターで教わった、自閉症の子との付き合い方をネタばれしておきます。

実は、この無言でぬいぐるみを渡す行為は、かなり合理的な対応と言えるのです。

自閉症の子は、自分が今やりたい事以外に興味がなく、どんなにやさしくきつく言い聞かせても中々方向転換してくれません。

こういう場合、四の五の言わず、強引にでも興味を別のものに逸らすのが重要になってきます。

真正面からぶつかるのではなく、横に受け流すイメージですね。

この対応の仕方を後に療育センターで教わったとき、この時の先生の行った無言でぬいぐるみを渡す行為がまさに正解であったと気づかされました。

つまり、プロですな。

実際、娘はぬいぐるみを抱きかかえながら、愛でるのに夢中です。

パパママも安心して先生のご挨拶を聞き始めます。

パパが構えるビデオカメラが、ぬいぐるみと娘から先生へと移ったころ、お父さんお母さん側がざわつきだします。

そして脱走へ・・・

ガラガラ!

ベランダの戸が開く音が聞こえて顔をそちらに向けると、刹那に見慣れた背中が視界に入って遠くに消えて行きました。

娘がベランダから見えるブランコへ向かって大脱走したのです。

しかも靴も履かず・・・。

先生もあわてて全力疾走で娘を追いかけます。

遠目に娘と先生のおにごっこを見守るパパとママは、気が気じゃありません。

先生に捕まるまいと満面の笑みで走り回るあの子は誰の子だよ!的な声が周囲から聞こえてきそうです。聞こえてこなかったけど。

2分程度経過したでしょうか。

ついに先生に捕まって抱えられながら帰還した娘は、どこか満足げです。なんて腹立たしい!

さすがに、娘の席の真横につき、娘の手を握りながら、先生のお話を聞くことにしました。

あぁ、このあとが怖い。

だって先生のご挨拶が終わった後は、園児達がパパママから離れて行う入園式です。組ごとに整列して入場して、用意されたパイプ椅子に座って園長先生のお話を聞くのです。

かなり大きめの体育館のようなホールで行われるので、パパママのフォローもできません。

ああ、怖い。