自閉症の子に言葉を伝える簡単な会話術

療育センターでの自閉症スペクトラム障害の勉強を通じて、自閉症の子供の育児法について様々学びました。

自閉症の娘に効果的だった方法が沢山あったので、シェアさせて頂きたいと思います。

今回は自閉症の子供との会話です。

こちらの意図が伝わりにくい自閉症スペクトラム障害の子供との付き合い方には、極めて簡単な会話術がありました。

なぜ自閉症には言葉が伝わりにくいのか

自閉症の子供とコミュニケーションを図ろうとしても、中々うまくいきません。

ああしてほしい、こうしてほしいという親の気持ちが強ければ強いほど、伝わらないストレスは大きくなってしまいます。

言葉を伝えるために理解しておくポイントは以下の3点です。

頭の中は絵でいっぱい

普通の子供は、言語を習得する年齢になっていくと、無意識に言語で物事を考えるようになっていきます。

しかし自閉症スペクトラム障害の子供達の頭の中は、言語ではなく絵で物事を考えています。

絵で考えるのが当たり前の思考に対し、言葉で何かを伝えると言う行為は、日本語しかしゃべられない人に英語で話しかけるようなものだと思えば分かりやすいと思います。

想像力が欠如している

成長した普通の子供は、相手の言葉の意味や状況を踏まえて適切な回答ができるようになってきます。

こう答えたら叱られそうだなとか、こう答えたら喜んでもらえそうだなとかですね。

また、相手に質問する時に、言って欲しい回答が自分の中に備わっている場合もあると思います。

これらが自閉症の子にはほとんどありません。

順番立てして考えられない

相手に伝えたい内容を順番立てて説明することができません。

なぜそれをしたいのか、なぜそれがほしいのか理由を足して会話することができないのです。

自閉症の娘と会話すると状況に関連しない要求をされることが時々ありますが、順番立てして説明することができないので、欲求だけをストレートに伝えているわけです。

伝えたい内容を極めてシンプルに

自閉症の子供に言葉を伝える方法は、極めてシンプルに内容を伝えるだけです。

いくつか例を出していきます。

お店の中を走ってほしくない時

分かりにくい言い方
お店の中は走っちゃ駄目だよ!人にぶつかったら迷惑でしょ!

自閉症の娘
わからない・・・

走るのが駄目なら歩くと言うのが普通の思考ですが、自閉症の子はそうはいきません。

“走る”行為の代替が”歩く”であると即座にイメージできません。

そして、人にぶつかる⇒痛い⇒迷惑と言う順番立てもできません。

そもそも、親として娘に伝えたいことは、お店の中は歩いてほしいということですから、そのまま伝えるのがベストです。

分かりやすい言い方
お店の中は歩いてね

自閉症の娘
わかった~

寝る前にトイレに行ってほしい時

分かりにくい言い方
寝る前におトイレ行っておいで。行かないとおねしょしちゃうよ

自閉症の娘
トイレに行って何をすればいいんだろう

娘で言うなら、トイレに行く行為とおしっこを済ませる行為が同義ではありませんでした。

トイレに行かないとおねしょをする可能性も想像できません。

これも同じく、親として娘に伝えたいことは、おしっこをしてほしいわけですから、そのまま伝えるのがベストです。

分かりやすい言い方
おしっこしてきなさい

自閉症の娘
わかった~

自閉症の子供との会話術のまとめ

やってほしいこと、伝えたいことをそのままの言葉で伝えることが、自閉症の子供と会話する極めて簡単なポイントです。

やってほしくないことを伝えても、代わりにやるべきことがイメージできないから何も伝わりません。

言語で脳がいっぱいになっている健常者は、簡単に伝えているつもりの言葉も、自閉症の子供からすれば、とても回りくどく分かりにくい言葉である場合が大半なのです。

言葉の分からない国へ旅行すると、単語の繰り返しでこちらの意図を伝えるケースも多いと思いますが、まさにその感覚です。

お店+歩く

おしっこ+する

などの二語文が自閉症の子供が理解できるぎりぎりのラインであると理解しておくと、娘には意外なほど伝わるようになりました。

親御さんにしてみると、単語だけや二語文だけで会話を繰り返していると、どこか命令口調の様で自己嫌悪することもあるかもしれません。

それでも、まずは内容が伝わる経験をとにかく増やしていくのが、経験者としてのお勧めです。

そのうちに、年齢とともに脳も成長し柔軟な会話が少しずつ増えてきます。

その柔軟な会話のサインを自閉症の子供の方から発してくれると、驚きと共にとても幸せな気持ちになれますよ。

自閉症の娘
眠いからトイレ行ってくる~