自閉症の子供を席に座らせる方法

自閉症スペクトラム障害をもつ子どもの多くは、席にじっとしていられない性質があります。

落ち着きがないと言ってしまえばそれまでですが、一言で説明するわけにはいかない、しっかりとした理由があるのです。

その理由を理解して、ちょっとの工夫で対策をしてあげると、席に座らせることはそれほど難しいことではなくなります。

なぜ席に座っていられないのか

とても簡単な説明が出来ます。

例えばあなたが、どこの誰とも知れない人に、どこかの部屋に連れて行かれるとします。

その人は、とても紳士的な風貌と言い方で、席に座ってくださいとだけ説明して、どこかへいなくなります。

最初はあなたも席に座っているかもしれません。

しかし、いつまで経っても、それ以上の説明が無く、その人も戻ってきません。

理由もなく連れてこられて、座れとだけ言われ、時間だけが経過していきます。

だんだん不安になってきます。

それでもあなたは、その席に座り続けることができますか?

自閉症は次の行動を想像できない

幼稚園に着いて、席に座って、先生の話を聞いて、今日の遊びを教えてもらって、友達と遊ぶ。

普通の子供であれば、毎日繰り返すこれらの行動パターンをイメージをすることは容易で、席に座ってと言われたから、先生のご挨拶が始まるな、今日は何して遊ぶんだろうと一瞬で思考します。

しかし、自閉症の子供の多くは、今の行動が何の行動に繋がるのかイメージ出来ないのです。

次の行動がイメージできない場合、自閉症の子供の特徴である、目的に対して高い集中力をもって行動する素晴らしい能力が機能しません。

この落ち着かない様子が示す心のうちは、何が起こるか不安であったり、説明が乏しいから興味が持てていないと言う事です。

先ほどの「例えばあなたが~」から始まる例え話は、自閉症の子供の頭の中で実際に起きている出来事なのです。

席に座らせる2つのポイント

席に落ち着いて座ってもらうには、不安を取り除いてあげる事と、目的を与えることがポイントです。

なぜ、いつまで座っているのか説明する

座って何をするのか、食事をするのか、映画をみるのか、先生の話を聞くのか、まず目的を明確に説明してあげてください。

そして、それはどれくらいの時間、座っていればよいのか、視覚的にわかる方法で教えてあげてください。

前回の記事でも説明しましたが、針時計やタイムタイマーなどで目で見てわかる制限時間を共有しておくと、自閉症の子供でも視覚的に時間を感じ取ってくれるようになります。

足跡マークで遊び心をくすぐる

療育センターで教わった方法です。

これは無料素材をインターネットでダウンロードして、ちょっと文字だけ足した自作の足跡マークです。
※通販でもっとしっかりしたものを売ってましたが1,000円くらいしました。

この足跡マークを食事の際に、娘の足元に置きました。

すると、娘は面白がって自分の足を足跡マークに合わせてくれます。

足跡マークに足を合わせると言う目的を得たわけです。

プリンターさえあればA4サイズの紙に印刷するだけで簡単に作れるのでおすすめですよ。

事前説明を癖づけましょう

人との付き合いの中で、相手に何かをしてほしい時には、必ず説明をするはずです。

説明せずに人を引っ張り回して、良好な人間関係は築けないですよね。

子供だから、自閉症だからと、この説明を軽く考えていると、知らず知らずのうちに、間接的に人格否定につながる恐れもあります。

もちろん普通の子供より、説明するのに一工夫必要ですし、理解してくれるまで時間がかかる場合もあります。

全ての策を講じても言う事を聞いてくれずに、ストレスを感じることも多くあるでしょう。

しかし、一番ストレスを感じているのは、この先何が起こるか分からない場所に連れてこられた子供自身であると思って、しっかり言い聞かせを行いましょう。

だって、これから起こることは楽しいことばかりなのですから。